芍薬の水揚げ方法

芍薬のお水揚げについて

華やかな大輪が、他にはない魅力の「芍薬」。4~6月の短い期間しか入荷がなくファンの方も多いお花です!!大変魅力的なお花ですが、芍薬は開花や調節の難しい部分があるお花ですので是非こちらのページをご参考の上、お買い求め頂きたいと思います。

【INDEX】
芍薬の水揚げ方法
芍薬を咲かせてみた(1)
芍薬を咲かせてみた(2)
芍薬の花の終わり方
花色について注意事項
ブライダル・花展等でご利用をお考えの方へ

水揚げって何?どうして水揚げが必要なの?

はなどんやからお送りするお花は「素材」、いわば仮眠状態です。これはお花屋さんが市場から仕入れてきたばかりと同じ状態です。お花屋さんが店頭に並べる前にも、必ずお花の下葉処理、水揚げを行います。この処理を行うことでお花が仮眠状態から目覚め、よく水を吸い生き生きとした状態になるのです。

水揚げに用意するもの

・花
・花切りハサミ(またはナイフ)
・新聞紙
・バケツや花瓶(浅いもの不可。茎が下から半分以上、出来れば首元まで浸かる深さのもの)
・あれば水揚げ剤・延命剤など

水揚げ方法

 

STEP.1  下葉処理

はなどんやからお届けする芍薬はこのような状態です。大きな葉がたくさんついています。これが素材のお花です。

今回のつぼみはこのくらいですが、つぼみ状態には入荷毎の差がありますのでこの限りではありません。
この花は、外側の緑のガクから大きくピンク色がのぞき、外弁もひろがりつつある状態なので、ほどなく咲き始めると思われる状態です。かなり蕾が固い場合ですと、開花までに2週間を要するような場合もあります。

ただし、近年の入荷傾向としましては昔より蕾が緩く咲きやすいものが入荷することが多くなっております。(産地や気温の影響もあるため一定ではない)
また例年母の日前後ごろから、気温の上昇に伴い、全体的につぼみ緩く咲きやすくなる傾向があります。

葉を取ります。不要な葉は、出来る限り取り除いた方が早く咲きやすくなります。今回は自宅の花瓶に飾る想定で数枚を残しました。

STEP.2 花を新聞紙で巻く

つぼみが蜜でピカピカと光っています。芍薬は蜜によって葉や花がベタベタしていることがあります。蕾に蜜がついている場合、花弁が固まり開花の阻害になることがあります。(この画像程度までつぼみが膨らんでいればあまり影響はないと思います)

このような場合には、ぬるま湯にお花を浸し、優しく蜜を洗い落としてあげましょう。洗い終わったらティシュペーパーなどでお水を拭き取ります。
首元に大きな葉がついているときは、取り除きます。

お花全体を新聞紙で巻きます。

お花を新聞紙でぴったりと巻きます。お花が飛び出てしまったり、ユルユルなのはNGです。

 

STEP.3 水切り

茎を水に沈め、その中で茎をナナメに切ります。切断面をナナメに広くすることでよりお水を吸うことが期待できます。

おすすめ:オアシス社クイックディップ
↑水切りした切り口に浸してつかいます。お花の吸水がよくなります。

STEP.4 深水につける


すぐに深い水につけます。お水の深さは茎の半分から2/3が浸かる程度深いもの。栄養剤、延命剤はこの時のお水に入れて使ってください。
延命剤・栄養剤はこちら
暖房、風、直射日光は避けて涼しい場所へ置いてください。新聞が濡れてきてしまいますが花の高さまで濡れるのでなければそのままでOKです。
より早く開花させたい、蕾が固いなどの場合は「湯揚げ」もお試しください。湯揚げ方法はこちら(バラの湯揚げ例になっていますが方法は同じです。)

■芍薬ルーズベルトを咲かせてみた 5/13入荷

↑↑↑↑ 5/13入荷 つぼみですが色も出ているのでそれほど固くはありません。
↑↑↑水揚げ後5/15 2日後の様子。左が葉を取らずに丈だけ短くしたもの、葉をとった右側の個体は開花がより促進されています。
ただし、同じように葉をとり水揚げをしたとしても、1束の中でこの程度の開花の差が出てくることはごく普通のことですので参考までに。(^^;)
↑↑↑開花2日後の様子 気温はおよそ20~28度。この間、夏日もありましたので順調に早く咲きました。保管気温も影響します。

■芍薬滝の粧を咲かせてみた 5/13入荷

↑↑↑ 同じ5/13入荷 もともと小ぶりな品種です。外弁の割れた蕾あり、固いつぼみあり。
↑↑↑ 葉を取って、蕾を洗って、2日後(5/15)の様子。
こちらは全て同じように葉を取り水揚げしましたが蕾状態の差がこれだけ出てきました。

■芍薬の花の終わり方

咲いた芍薬の花保ちは、開花後2~3日が目安です(ただし気温によります。気温が高いと終わりも早いです。)
まだ美しい花弁がバサリと散る様子も迫力があり見事な散り際です。※花が散らず、乾燥し縮れていくような場合もあります。

■ 芍薬の花色について ■

芍薬には色の個体差が現れることがあります。
特に白系品種の芍薬は、花弁一部に赤スジが現れたり、場合によっては全体が薄桃がかっていることがございます。
弊社もこれまで十数年、様々な白系芍薬を見てまいりましたが、「絶対に間違いなく純白」という品種はなく、稀に薄く色づいたような個体が出てくるケースがございました。
このような特性があることをご承知おきの上お申込み頂きたいと思います。(補償の範囲外となりますのでご了承ください)
ピンク系の品種も、半身の色が違うなど個体差が出てくることもあります。


例:上記、一般に純白品種と呼ばれる「ミライカ」ですがこの時全体が淡くピンク色でしたが、咲くにつれて全体に白っぽくなりました。

 

■ ブライダル・花展等で、芍薬の利用をお考えの方へ ■

芍薬つぼみから開花までの道のり、開花後から落花までのスピードの速さなどの予測が難しい花です。入荷によっても蕾の硬さは全く違い、選別は困難です。
このため「狙ったタイミングで最高の状態にする」というのはプロでも大変難しいものになります。
式場の花屋さんなどは、仕入れを何度かに分けて多くを購入、開花状態の良いものを選抜して利用されていることが多いものです。
個人の方でブライダルなどのご利用におかれましては、この点をご留意頂き、リスク管理の必要なお花であることをご承知の上ご検討頂きたいと思います。

 

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