“香りの花”カーネーション
植物と香りには切っても切り離せない関係があります。日本でも古来より香りの良い花木は親しまれ、特に沈丁花(ジンチョウゲ)、梔子(クチナシ)、金木犀(キンモクセイ)は「三大香木」と呼ばれています。またアロマの世界ではバラ、ジャスミン、スズランが「三大花香」と呼ばれ、香料の基本となる3つの花の香りとされています。
ではカーネーションに香りがあることはご存じでしょうか?
今回の佐藤俊輔のFLOWER STYLEのテーマは、「カーネーションとアジサイのバタフライブーケ」。アジサイを房で使用するのではなく、1輪1輪を分解して、ひらひらと動きのある花材にして花束を作ります。香りのカーネーションに引き寄せられた蝶のようなアジサイ、その一瞬の場面を切り取ったようなブーケを作成します。
花材紹介
生花⇒国産カーネーション ガナッシュ[5本]、国産カーネーション レディシーン[5本]、レモンリーフ[1束]、アセビ80cm~100cm[3本]
造花⇒ハイドレンジアピック パープル[1本]、ハイドレンジアピック ブルー[1本]、クリスマスローズ×3 クリームグリーン[2本]、クリスマスローズ×3 モーブグリーン[2本]、クリスマスローズ×3つぼみ×4 グリーン[3本]
STEP.1 アジサイの下準備
アセビの枝を細かくさばいていきます。
細かくさばいた枝の半分はそのまま、半分は葉を全部取り枝だけの状態にします。
枝先を斜めにカットします。
アジサイの芯を取り空いた穴に枝に通します。
芯を残したアジサイにグルーを付けて、キャップのように枝につけます。枝だけの状態にしたものすべて同じようにつけます。
STEP.2 スパイラルで花束に
最初にカーネーションを持ち、短いグリーンと短いクリスマスローズをクッションとしていれる。
花と葉を交互に入れ、アジサイはメインの花材のカーネーションよりも少し高くなるように入れる。
レモンリーフを外側だけでなく内側にもあらかじめ入れるのがポイント。
外側の花をカバーするようにレモンリーフを配置する。
STEP.3 縛った後に剪定で仕上げ
手を緩めて花の高さを揃える。引っ込んでいるものは出し、出ているものは下げる。
麻紐でしばる。
密集しすぎているアジサイ、円周から飛び出しているグリーンを剪定して精緻な円に仕上げる。
詳しい作り方は動画コンテンツで
いかがでしたでしょうか?バタフライアジサイの花材、今回はブーケに使用しましたが、スワッグやカゴアレンジにあしらってもいつもと違ったアジサイの雰囲気を楽しめます。
カーネーションの和名は麝香撫子(ジャコウナデシコ)、その名の通りカーネーションは、スパイシーでエキゾチックな香りがします。カーネーションに香りの花のイメージがないのは、摘み取ってから2~3日で香りが弱くなってしまうため。品種によってもともと香りがしないものもありますが、香りがしたらそれは新鮮なカーネーションの証拠です。
母の日が近くなり、カーネーションが花屋さんに沢山出回るこの季節、ぜひエキゾチックな香りをかぎに花屋さんに立ち寄ってみてください。
香りに魅せられることからはじまる花のある暮らし「佐藤俊輔のFLOWER STYLE」次回もお楽しみに!
佐藤俊輔のインスタグラムでは撮影時のオフショットなども掲載しています。
この記事を書いた人
- フラワーデザイナー 佐藤俊輔
- ㈱三越(現・三越伊勢丹ホールディングス)を退社後、花の世界へ。
2014年、モナコ国際親善作品展国内選考会において特別賞を受賞。
2016年より「女性自身」(光文社)、2020年より「CREAWEB」(文藝春秋)にて花のあるライフスタイルを連載中
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