プリザーブドフラワーや造花のアレンジを作る時、どのフローラルフォームを使おうか悩んだことはありませんか?「生花用フォームを使ってもいいのか?」「専用のフォームでないといけないのか?」疑問にお答えするべく、ドライ用のフローラルフォームを一同に集め、その使い勝手を比較をしてみました。
比較するドライ用フローラルフォーム
今回比較するドライ用フローラルフォームは、当店で販売している以下の5点です。画像左から硬い順に並んでいます。それぞれを、色々な使い方をして比較していきます。
アレンジフォーム
【硬さ】
かなり硬め
【カットしてみて】
カッターだと力がいる上に、画像のようにあまりきれいな切り口になりません。専用のナイフで切る必要があります。
【バラの造花を挿してみて】
挿すのにそこそこ力がいります。挿した後は揺らしてもフォームはびくともしない。
【やや細めのワイヤー(#26)を挿してみて】
硬くて挿せませんでした。
【普通のワイヤー(#24)を挿してみて】
手でワイヤーの根元を持てば挿さります。ピンセットで、スッと挿すのは難しい。
【プリザーブドローズの茎(ステム)】
硬くて挿せませんでした。
使ってみての感想
圧倒的なホールド力が特長のフォーム。とにかく硬いので、カットする時は専用のナイフや簡単なノコギリが必要。カッターで切れないこともないが、ガリガリと力が必要なうえ切り口がきれいになりません。茎が細い花材は挿すのが難しい。いったん挿せば相当のホールド力でまず崩れないので、茎が太い花材で絶対に固定しなければいけない場合など、ホールド力がほしい時に。
アートフォーム
【硬さ】
やや硬め
【カットしてみて】
カッターできれいにカット出来ます。オアシス用ナイフやご家庭の包丁を使えば、より簡単にきれいに。
【バラの造花を挿してみて】
信頼できる挿し心地。揺らすと茎の揺れは感じるがそれによりフォームが崩れることはなさそう。
【やや細めのワイヤー(#26)を挿してみて】
ザクザクッと手に振動が伝わる感じで、しっかりと挿さります。
【普通のワイヤー(#24)を挿してみて】
ザクザクッと手に振動が伝わる感じで、しっかりと挿さります。
【プリザーブドローズの茎(ステム)】
挿せるがやや力が必要です。茎が細い素材にはあまりお勧めしません。
使ってみての感想
造花(アーティフィシャルフラワー)におすすめ!挿した花材がピタッピタッと収まっていく挿し心地と、安心できるホールド感。カッターでも切れる扱いやすさも嬉しい。
生花用フォームよりかなり硬いが、従来の造花用フォームに比べると使い勝手が向上していると感じます。素材がしっかりとしているので、フォーム自体の耐久性もありそうです(崩れにくい)。
サハラⅡ、セックブリック
【硬さ】
やや柔らかめ
【カットしてみて】
カッターできれいにカット出来ます。オアシス用ナイフやご家庭の包丁を使えば、より簡単にきれいに。
【バラの造花を挿してみて】
信頼できる挿し心地。揺らすと茎の揺れは感じるがそれによりフォームが崩れることはなさそう。
【やや細めのワイヤー(#26)を挿してみて】
刺しやすくしっかりと挿さります。
【普通のワイヤー(#24)を挿してみて】
刺しやすくしっかりと挿さります。
【プリザーブドローズの茎(ステム)】
挿しやすくしっかりとしたホールド感があります。
使ってみての感想
サハラⅡとセックブリックは、挿した印象はほぼ同じ。とても挿しやすいのに挿した花材へのホールド感もしっかりとあり、ドライフラワー・プリザーブドフラワー・造花どれにでも使えます。カッターやオアシスナイフ等で簡単にカット出来、使いやすい。
サハラ
【硬さ】
柔らかめ
【カットしてみて】
カッターできれいにカット出来ます。オアシス用ナイフやご家庭の包丁を使えば、より簡単にきれいに。
【バラの造花を挿してみて】
しっかり奥まで挿さないと安定しづらい。揺らすとユラユラして挿した部分の穴が広がってしまいます。
【やや細めのワイヤー(#26)を挿してみて】
抵抗なくスッと挿さります。挿したワイヤーを左右に揺らしても、挿した部分の穴は広がりません。
【普通のワイヤー(#24)を挿してみて】
抵抗なくスッと挿さります。挿したワイヤーを右左に揺らすと、挿した穴が軽く広がるくらいの柔らかさです。
【プリザーブドローズの茎(ステム)】
挿さりやすい
使ってみての感想
挿し心地は、生花用フローラルフォームとあまり変わらない感じ。その後、耐久性が違うのか経過観察中です。
番外編
【グルーガンでリボンを接着してみて】
サハラは、グルーで接着したリボンを引っ張ると、接着した部分がフォームごと取れてしまいました。それ以外のフォームは、フォームが溶けることもなく、リボンも接着できました。軽く引っ張っても取れません。
【水をかけてみて】
どのフォームも水玉になって乗る感じで、染み込む様子がありませんでした。強いて言うなら、サハラだけは水の跡が部分的に付いたので、水が染み込んだのかもしれません。(画像〇で囲んだところ)造花は室内装飾用の商品ですが、やむを得ず屋外使用される際はサハラ以外のドライ/アート用フォームにした方がいいかもしれませんね(汚れやカビの恐れがあるので、基本的には屋外利用はおすすめしません)。
【生花用フローラルフォームの使い勝手】
当店で一番安いフローラルフォーム「グランセ」を、ドライ用として使ってみた場合の使い勝手も。
サハラより少し柔らかく、同じ程度のホールド力はあります。挿すと素材に吸着するような粘着感があり、ドライ用と比べても特に使用感に不安を感じることはありませんでした。
生花用のフォームは、水を吸水することを前提に作られているので、ドライ用として使うと経年劣化によってホールド力が弱まって作品のイメージが変わってしまう恐れがありますが、価格もかなりお手頃なのでたくさん使いたい練習用やちょっとした室内使用、ご家庭で楽しむ分にはドライ用として使っても十分の素材かと思います。
フォームを比較してみて分かったこと
茎が太めの花材をアレンジする場合やアレンジの状態を長期間保持したい場合は、ホールド力のある専用フォームの利用がおすすめです。今回比較した中でも「アートフォーム」「セックブリック」は、挿し心地、カットのしやすさ、ホールド力どれもさすが専用フォームと感じさせるもので、造花や長期間の固定におすすめ出来ます。
逆に、茎が細めの花材やアレンジの保持が短期間でいい場合は、生花用フォームでも問題ありません。
生花用フォームしか使っていないという方も、利用シーンに応じてドライ用フローラルフォームを使ってみてはいかがでしょうか?きっと、そのホールド力が頼もしく感じるはずですよ。