春の黄色いイルミネーション
春を告げる花といえばミモザ。2月の南フランスのミモザ祭りで始まる黄色い春は、3月のイタリアのミモザの日を経て、ヨーロッパ中を幸福の色に染めていきます。その人気はヨーロッパにとどまらず近年、日本でも大ブームを巻き起こしています。
今回の佐藤俊輔のFLOWER STYLEのテーマは、「ミモザとマグノリアのイルミネーションスワッグ」。幸せの黄色いミモザには、春に現れる白い雲のようなマグノリアがよく合います。最終的にはLEDライトを使用して、クリスマスの余韻を残したようなロマンチックなスワッグに仕上げます。春ならではの優しい光のイルミネーションアレンジに癒されましょう。
花材紹介
造花等⇒ベルベットリーフスプレー[1本]、ミニシサスアイビーバイン[1本]、ダリアピック[3本]、アネモネピック[3本]、マグノリア[1本]、クラシカルカラーアイビーピック[1本]、ミモザ[1本]、プリムミモザバンドル[1束]、ホテイアオイゴボウ[1本]
生花⇒輸入ミモザアカシア[2~3本]、グニユーカリ[2~3本]
MVP花材「ホテイアオイゴボウ」
南アフリカ原産の水草の一種で別名は「ウォーターヒヤシンス」。水面をあっという間に覆いつくしてしまうほどの繁殖力の強さから、河川や湖沼の生態系や存在自体を脅かす植物として世界的に処分が問題になっています。近年タイではこのホテイアオイの再利用方法としていくつかの製品が作られており、その一つがこのホテイアオイゴボウです。(参照元:ソラフラワーズ協会)
実際に使用してみると、天然素材ならではの温かみがあり、ラフィアや麻紐と比べるとよりワイルドでナチュラルな雰囲気が楽しめます。「捨てるフラワーアレンジメントから持続可能なフラワーアレンジメントへ」、素材が可愛いから無理なく進めていけるのが嬉しいポイントです。
STEP.1高低差を意識した形づくり
スワッグは180度からみられるアレンジメントなので、机などを背面にして置きながら作ると両手が使えて便利で簡単です。
最初にベルベッドリーフを敷き、その上に造花のミモザを重ねます。
生のユーカリは背が一番高くなるように、ミモザの先よりも飛びぬけるように配置します。
マグノリアや生花のミモザを適宜足して大まかな形を作っていきます。
STEP.2ダリア・アネモネを美しさ重視で配置する
丈の短いダリア、アネモネは通常なら下の方でしか束ねられませんが、後々ワイヤで固定するので美しさ重視で丈の長さ関係なく自由に配置していきます
手元の方にミモザバンドルやアイビーピックを並べます。
ブラックカラーのアイビーバインを挿し色で垂らすように配置します。
茎の短いダリアとアネモネを24番ワイヤーで、ユーカリや造花のミモザなど丈夫な部分に固定する。
STEP.3麻紐・ホテイアオイ・LEDライトで仕上げる
麻紐で仮止めをしたら、ホテイアオイを分解します1本のホテイアオイが、4本に分解できます。
リボンと同じように結びます。蝶々結びでも、方結びでもどちらでも大丈夫です。
最後にLEDライトを絡めていきます。造花の部分に絡めてあげると生花が傷まなくて安全です。
詳しい作り方は動画コンテンツで
いかがでしたでしょうか?今回はスワッグを作りましたが、リースやアレンジメントにもLEDライトをあしらえば、同じようにイルミネーションアレンジが楽しめます。
ミモザというとヨーロッパのイメージが強いですが、原産国はオーストラリアです。現地では「ワトル」という名で親しまれ、日本の秋がはじまる頃には、南半球の春がはじまり、ワトルの花が咲き始めます。そのままドライフラワーになる今回のスワッグ。ぜひ春に飾った後も捨てずに、秋にもう一度ワトルのスワッグとして飾って楽しんでみて下さい。
ミモザとワトルからはじめる花のある暮らし「佐藤俊輔のFLOWER STYLE」次回もお楽しみに!
佐藤俊輔のインスタグラムでは撮影時のオフショットなども掲載しています。
この記事を書いた人
- フラワーデザイナー 佐藤俊輔
- ㈱三越(現・三越伊勢丹ホールディングス)を退社後、花の世界へ。
2014年、モナコ国際親善作品展国内選考会において特別賞を受賞。
2016年より「女性自身」(光文社)、2020年より「CREAWEB」(文藝春秋)にて花のあるライフスタイルを連載中
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