つぼみで入荷するユリの花。
冬場は特にユリが咲きにくい場合があり、そのまま飾っておくだけは開かない場合があります。ユリの水揚げ、開花促進の方法をご紹介いたします。
入荷時のオリエンタルユリ ソルボンヌ
今回は一輪め蕾にも色が乗っており極端に固いつぼみではありませんので比較的咲きやすい状態です。
1)不要な葉を取る。
入荷したユリには葉が多くついており、お花への水分供給を阻害しがちです。大きな百合の花を咲かせるにはたくさんのお水が要りますので不要な葉はなるべく取ります。つぼみの近くについた葉も何枚かとりました。
2)なるべく短く切る。
ユリは入荷時80cm~と長い場合が多いでので、初めに花瓶に合わせて長さをカットします。茎は短いほど、お花へお水が行き渡り咲きやすくなります。
花首だけをカットしてコップなどに浮かべるとより早く咲きますので花首を使うブーケの利用などの場合は短くしてみてもOKです。(咲かせすぎには注意ください)
↑参考画像
左が茎80cn程度の枝の開花輪。右が茎60cm程度にカットした枝の開花輪。
茎が長いままの花は水分が足りず、完全には開ききらずシワっぽい感じ。先端が茶色くなってくる花もありました。葉っぱの黄変も早かったです。
2)水切り
切り口を斜めにカットします。斜めに切断することで導管の切り口が広くなり吸水を助けます。
3)たっぷりと深いぬるま湯で水揚げ
40度程度のぬるま湯につけてあげると水の吸い上げがよくなります。特に冬場は水温が低く、水を吸いにくい状態です。熱湯とお水を混ぜて調節してみてください。花瓶のお水はたっぷりなるべく深く。栄養剤があればこのタイミングで使います。
ぐったりしていたり、茎がやわらかい場合などはきちんと数枚の新聞紙で巻いて
水揚げをします。ただし新聞を巻いた状態の水揚げは、内部の花弁折れなどに気づきにくいので開花の状態を注意しながら行ってください。
4)花枝全体をビニルで覆う。(冬場)
すぐに咲きだしそうなものはここまでの必要はありませんが
・開花を早めたい
・1輪目が2日くらいたっても咲いてこない
・つぼみが固そう
などの場合はこのような状態で保管してみてください。冬場は特に空気が乾燥しているため加湿が必要な場合があります。お花の傷にならないように大き目のごみ袋などでふわりと覆う程度にします。
更にビニルの内側にもたっぷり水を吹きかけておきます。
(この画像はユリではありません^^;)
5)保管場所を工夫する
<冬場>
冬場はユリが咲きにくい季節です。十分な保湿の上、お部屋の中でもなるべく暖かい場所、日のあたる場所に置くと咲きやすいです。日中は窓辺、夜間は暖房のお部屋など。(↑の画像はユリではありません)
<夏場>
こまめな水替えとともに空調のきいた場所への保管を。(風があたらないように注意します。)強い日光が当たる場所は避けます。北側の窓辺など直射日光のあたらない明るい場所が適します。
6)花粉の手入れ
少しでもお花が開いてきたらなるべく早いうちにヤク(6本のおしべの先端についている花粉の詰まった部分)を引っ張って取ります。ヤクがはじけてしまうと花粉が付き、お花を汚してしまいます。また受粉をすると花持ちが悪くなりますので花粉の手入れは重要です。