菊ってどんな花?
日本の国花でもある菊の花。学名Chrysanthemum(クリサンセマム)
日本における歴史は、古今和歌集に詠まれた歌に出てくるのが最古といわれています。
鎌倉時代になると菊を好んだ後鳥羽上皇により皇室の紋(菊花紋章)にも採用されました。
気品と歴史を兼ね備えた伝統的なお花です。花言葉は「高貴」
菊の歴史
日本では平安時代後期、「古今和歌集」に初めて名前が登場します。
一般に野菊と呼ばれるような菊に似た野草は日本にも自生はしていましたが、
今日、一般的に菊と呼ばれるような種類の花はもともと日本にはなく中国から渡来したといわれています。
・日本(平安時代) 古今和歌集に菊が登場
・日本(江戸時代) 育種の発展により品種が多くなり、(江戸菊)菊合わせ(品評会)・菊花壇・菊人形
・中国⇒ヨーロッパ 育種された菊が幕末に海を渡る。イギリスを中心に人気が高まり品種改良がすすむ。
・日本(昭和~現在まで)
革命的な品種改良が行われ従来とは異る姿と万国共通の「マム(学名)」と名前を変え日本に再上陸。
それまで菊といえば仏花であったイメージを払拭、様々なフラワーシーンで利用されるようになる。
丸い形のピンポンマムや、緑色のマムなど様々なマムが花業界に新たな風を巻き起こしてきた。
マム(MUM)ってどんな花?菊とは違うの?
マムとは生花流通する菊のうち、輪菊と小菊(白、黄色、赤の一般的なお供えの菊)を除く洋菊を指します。
形状ごとにスプレーマム、ピンポンマムなどそれぞれの名称で呼ばれます。
なぜ「マム(MUM)」って呼ぶか知ってますか?
マムとは学名Chrysanthemum(クリサンセマム)の略で「黄金の花」という意味があります。
幕末頃、日本に古来からある菊が海を渡り欧米さらにはヨーロッパへと伝わりました。
異国の地で革新的な品種改良が行われたのち、従来とは異なる姿と万国共通のマムという名前を得て日本に再上陸したのです。
マムにはどんな種類があるの?
日本では20年以上前からマムを切花生産しておりますが、当初はスプレーマム(シングル咲きタイプ)が一般的でした。
その後、さらに品種改良が進み、風車タイプ・アネモネ・スプーンタイプが主流となり、
現在ではポンポン・ピンポン・スパイダー・デコラ・サンティニ・マイクロなど様々な姿へと変化し続けています。
今後、さらに品種改良が進めば薔薇やカーネーションの様なマムも生まれてくる可能性がある、それがマムなのです。
マムの種類を知ろう① スプレーとディスバッドの違い
マムは大きくスプレータイプ(枝分かれ)とディスバッド(一輪咲き)のものがあります。
これらは産地での仕立てにより作り分けているものです。
ディスバッド=芽かきをすることで脇芽にとられる栄養分を一輪の花に集約し
大輪の花を咲かせることができるのです。
マムの種類を知ろう② 花形の違い
あまり知られていませんが、マムには様々な花形がありそれぞれに名前があります。
また種苗会社が提供するマムにはシリーズ化されているものも多く色違いで様々なバリエーションが出回ります。
シングル咲き… 一重咲きのシンプルな花形。エリートなど |
アネモネ咲き… 丁子咲きとも呼ばれる。 一重の外弁に花の中心が盛りあがって咲く。 モナリザシリーズなど |
スプーン咲き… 筒状の花弁、先端がスプーンのようになっている。 風車シリーズなど |
ポンポン咲き… 花弁の密集したタイプ。 芽かきするとピンポンマムに仕立てられる。 ロリポップシリーズなど |
サンティニシリーズ… 直径2cm以下のごく小輪のタイプ。仏花でもおなじみ |
マイクロポンポン… サンティニの中でも花弁の密集したタイプ。 |
ピンポンマム… 丸い花形。スプレーのポンポンを芽かきして仕立てる。 |
デコラマム … 糸菊のような花型から丸い花形まで色形は様々。 オペラシリーズなど |
スパイダー… 細いシャープな花弁がスマートな印象。アナスタシアなど |
※はなどんやアソシエでは、輪菊&小菊、ピンポンマム、スプレーマム、デコラマムの区分けになっています。
アナスタシアもデコラマムの一部として販売しています。販売中のマムを見る
マムってどんな風に作られているの?
菊は日照時間が短くなると花芽を形成し開花するという性質があります。
その性質を利用し、花芽が形成される前にや夜間に人工的に光をあてることにより花芽の形成と開花時期を遅らせる方法が電照です。
菊は電照を行うことで周年の出荷が可能となっています。
マムは一般的に3ヶ月周期で生産されています。
① 苗の購入と定植・電照開始(0日)
苗の状態
② 電照終了(30日前後)
③ 天摘み・やごかき(65日前後)
※脇芽を摘んだり、天頂にたくさん付いたつぼみを取ること。ディスバッドの作業
④ 収穫(80日前後)
⑤ 出荷終了(95日前後)
マムのおすすめ時期はいつ?
年間を通じて出荷のあるマムですが、花本来の旬の時期はやはり特に美しいものです。
おすすめの時期は晩秋~春先にかけて。
夏場には暑さの影響で花が小ぶりであったり、色がのりきらないなど季節特有のものがあります。
9/9は重陽の節句、菊の節句として有名ですが、実はこれ太陰暦(旧暦)での節句。
太陰暦(旧暦)と現在使われている太陽暦には約1か月ほどのずれがありますので
実際に菊が美しく見ごろになるのは1か月ほど後になります。
9/9はまだ暑さも厳しく、入荷数自体も少ない時期ですので
「太陽暦」での重陽の節句をお楽しみ頂きたいと、はなどんやは考えています(^^;)
また、年末の数週間はお正月の需要もあり、多種多様なマムが豊富に出回る時期です。
お正月の商戦に向けて多数の産地が集中的に出荷をしますので
普段は見られない珍しい品種なども手に入れるチャンスです。
気温が低く花保ちも非常に良いですので大変おすすめです。
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